パレスいわやは、福島県いわき市の結婚式場です。2018年(平成30年)10月に、既存の披露宴会場のリニューアルをし、オープン。「少人数の披露宴」を希望するお客様のニーズにお応えする、ウェディングホール「APT8(エーピーティー・エイト)」へと生まれ変わりました。今回のリニューアルを株式会社ディーアンドエスに依頼した経緯と評価について、代表取締役社長岩谷義一氏、取締役岩谷義堂氏のお二人にお話を伺いました。
— パレスいわやは、どのような結婚式場でしょうか。
* 代表取締役社長 岩谷義一氏(以下、義一氏)
「パレスいわや」のスタートは、鮮魚商です。鮮魚商から身を起こした先代が、仕出し業、割烹旅館業という流れを経て、42年前にいわき市に結婚式場「ウエディングパレスいわや(現:パレスいわや)」をオープンいたしました。私は2000年(平成12年)二代目の社長に就任いたしました。
「お客様が第一」のホスピタリティ精神を大事にしております。おかげさまで、42年間、地域一番店として、たくさんのお客様にご利用いただいております。親子二代にわたって挙式をしていただくお客様も少なくありません。
数多くあるウエディングのおもてなしの中でも、弊社では、仕出し業を営んでいた先代の「味は大名、値段は足軽」という理念と歴史を受け継ぎ、提供させていただく「料理」に特に力を入れております。お客様からは「いわやといえば料理」「とても料理が美味しい」というお褒めの言葉をたくさん頂戴いたしております。
— これまでどのようなリニューアルをしてきましたか。
* 義一氏)
私が二代目の社長に就任したことを機に、新しい結婚式の形を模索しました。その時に、とあるデザイン事務所に依頼をして「自由で楽しい」をコンセプトとしたニューヨークスタイルの会場を作りました。会場はとても人気を博し、当時としては、時代を先取りした経営ができていたと思います。
— どのようなきっかけで今回のリニューアルをお考えになったのですか。
* 義一氏)
古くなっているから新しくしたい、傷んでいるところがあるから綺麗にしたいというのが、まず最初のきっかけでした。
今回リニューアルをしたいと考えたのは、「蓬莱(ほうらい)」という名前の会場です。
収容できる人数は50人前後で、少人数向けの会場です。その会場は42年前に作ったもので、昔ながらの「ヨーロッパスタイル」の披露宴会場でした。
当時は都心にもなかなかない新しいデザインで、パレスいわやの中ではいちばん小さい会場でしたが、「伝統的なデザインの会場で式をしたい」というお客様からはとても人気がありました。 予約は常に入っていて、60~70回転ほどしている状態でした。
これまでほとんど改修などを行わずにきたもので、現場で働いている従業員から「会場全体が古くなってきている。壊れているところも出てきているから、はやく直して欲しい」という声を聞くようになりました。
私個人の考えで、大人数向けの会場より、この少人数向けの会場があまりにも一気に綺麗になってしまうと、お客様が「この綺麗な会場で式をしたいから、人数を減らして契約しよう」という心境になられて、売上が落ちてしまうのではという不安があり、なかなかリニューアルに踏み切れませんでした。
2015年(平成27年)頃、営業の人と話していたさいにも、この会場の「古さ」が話題になりました。「今でも予約は取れている会場だけれど、もっとお客様に喜んでもらえる会場にしたい、そして、もっとたくさん予約をとりたい」という思いが次第に強くなっていきました。
* 取締役 岩谷義堂氏(以下、義堂氏)
2つ目の理由として、「幅広い層のお客様」「少人数での式をお考えのお客様」に向けて、これから積極的にアプローチできる会場を持ちたいということがありました。
以前、お客様から、弊社の会場は「ちょっと高いイメージがある」「敷居が高い」という声をいただいたことがありました。
特に少人数での式を希望されているお客様に、そう感じるかたが多いのではないかという懸念がありました。弊社側でも、少人数での式=予算を抑えたい、ということでお客様の想定をしていた部分がありました。
しかし実際は、「少人数でも、上質な結婚式をしたい」と考えておられるお客様がたくさんいらっしゃることが分かりました。そのようなお客様のニーズにお応えできる会場を新しく作りたいと思いました。
— どのようにデザイン事務所をお探しになりましたか。
* 義一氏)
リニューアルをすると決めた後、取締役たちに頼み、いろいろな方にお会いしてデザインの提案をしていただきました。どれも弊社にとっては「格好良すぎる」デザインという印象でした。他の既存の会場がもともと個性がありますから、「パレスいわや全体としてみた場合に、調和が取れるだろうか」という不安がありました。
今回は「ある特定の層の人だけに好まれるデザイン」というより、「万人に好かれるデザイン」という、これまでとは違う、新しい路線を目指しているなかで、弊社のそのイメージを納得のいく形で提示してくださるところがありませんでした。
また、「予算が高すぎる」ということも気になりました。正直なところ、そこまで費用をかけて出来ない部分もあったのです。
— 地元のデザイン事務所はお探しになりましたか。
* 義一氏)
地元のデザイン事務所に依頼するということは、まったく考えていませんでした。これまでも依頼はしたことはありません。
やはり、常に最新のリニューアルの事案をたくさん見ている人、これからのデザインの流行りなど、時代の先をしっかり見据えている人に頼まなければ駄目だと考えていました。
ここは福島県で、一見すると東京からは離れているようですが、電車で2時間で来ることができる距離でもあります。私の周りでも、首都圏へ向けての意識は普段から高いと思います。東京はすごく遠いところという意識はあまりないかもしれません。
— ディーアンドエスをどこでお知りになりましたか。
* 義一氏)
弊社が家具や備品関係でお世話になっている社長様からのご紹介です。私の希望している会場のイメージを伝え「いいデザイン事務所はないだろうか」と相談をしたことがありました。
「それならちょうどピッタリの人がいますよ」「ディーアンドエスの渕向さんがデザインした式場は、とても繁盛していますよ」という話を伺いました。
「リニューアルの依頼をするなら、確かな実績のあるデザイン事務所に頼むのがいちばん良い」と考えていましたので、非常に興味を持ちました。
さっそく東京で渕向さんにお会いして、実際に話を聞き、「これは良い!」と思って、即決しました。
— 具体的にどのようなリニューアルをしたいと伝えたのですか。
* 義一氏)
ディーアンドエスにリニューアルを依頼したのは2017年(平成29年)の秋頃でした。
基本的に、今回は渕向さんのセンスにお任せして、思うようにやって欲しいと考えていましたが、弊社から伝えたことは3つありました。
第1に、弊社では、15年ほど前から「ニューヨークウエディング」というイメージコンセプトのもとでやってきておりました。そのため、他の既存の会場はどちらかというと「照明は暗め」「モダン」「大人っぽい」感じでした。
今回はそうではなく、「照明は明るめ」「誰にでも好かれる」「あまり個性的すぎない万人向け」「落ち着いた感じ」の会場にしたいと伝えました。
— 具体的にどのようなリニューアルをしたいと伝えたのですか。
* 義堂氏)
そうですね。今回は少人数向けの会場ということもあり、「個性的」というよりは、「家族」「アットホーム」がテーマでした。奇抜過ぎないデザインで、ということを重要視しました。
* 義一氏)
第2に、ものすごく会場を作りこむ、ということではなく、ディスプレイなどを使って飾りつけるようにしたいということを伝えました。それをふまえて、渕向さんから「こういうイメージですか」と資料を持ってきてくださって提案がありました。この提案で、よりイメージを具体的に形にするやり取りができたと思います。
第3に、すべてを作り変えるのではなく、たとえば床のタイルはそのまま使いたいというように、今あるものを活かしつつ、より良い会場を作りたいと伝えました。
— 費用についての説明は納得のいくものでしたか。
* 義一氏)
そうですね、費用についての説明は納得のいくものでした。「この部分にかける費用を落として、もう少し効果を上げるようにしてほしい」という提案に対しても、渕向さんはしっかりと応えてくれました。
打ち合わせ段階から、しっかりと費用対効果を考えてくださっていました。私のいままでの経験、売上の観点からも満足のいく結果になったと思っています。
— リニューアルの流れはどうでしたか。
* 義堂氏)
グランドデザイン、イメージといった大枠の部分は社長が決定し、家具などのデザインや色に関しては室長(岩谷洋平氏)、予算やLED工事などの現場管理では私が窓口となって関与するというかたちで進めていきました。
* 義一氏)
打ち合わせは面と向かって現場で、ということが多かったですね。スムーズに進んでいきました。
* 義堂氏)
工期は、約1ヶ月でした。会場全体を閉めず、他の会場の営業も並行しつつの工事でもありました。あの会場の広さから考えると、長すぎず、短すぎず、妥当な期間だったと思っています。
また、他のデザイン事務所ですとデザインが優先されていて、実際に施工段階になった時に、「この設計では工事ができない」というようなことがあり、工事が進められないということがありましたが、今回はそういうこともなく良かったですね。
— 苦労した点はありましたか。
* 義堂氏)
実際に工事が開始したあとに、設計段階では想定できなかった変更が発生したことがありました。
予算の関係で、当初は既存の照明を使用する予定でした。工事を進めていく中で、思ったより現場の機材の老朽化が進んでいることが分かりました。「この工事のタイミングでないとLED化が難しい」ということで、その場で急遽LEDの選定や、配置を決める必要がありました。
また、天井内部のエアコンのダクトが破損していることが分かりました。その部分に関しても、今回の工事のタイミングで修繕したほうが良いとのことでした。
予想外のことが重なり、工期が伸びてしまうのではないかという不安がありましたが、機材の選定や施工業者とのやり取りなど、渕向さんが迅速にしっかりと対応してくださり、工期を予定内に納めることができました。とても良かったと思っています。
— 完成した会場を見て、どのような感想をお持ちになりましたか。
* 義一氏)
「良いものができた」「この会場なら、きっとお客様も喜んでくださる」と思いました。
ホワイトカラーを基調とした会場にした結果、お客様からの評判は本当に良いですね。とても喜ばれております。
渕向さんには、難しいこともお願いしたと思いますが、弊社が伝えた要望はきちんと叶っている会場ができました。弊社の既存の他の会場とは、まったく違うタイプの会場ができて良かったと思いました。
* 義堂氏)
幅広いお客様に好まれるようなデザインの会場でした。デザインはシンプルで都会的なテイストだと思いました。
それでいて、この地にはない、ちょっと独特な雰囲気も出ている空間でした。そこがとても効果的なアピールポイントになっていて良かったですね。
お客様にも説明がしやすく、売りやすい会場になりました。「良い会場ができました」とお客様に自信をもって会場見学のご案内ができるようになりました。このことがいちばん大きいですね。
— リニューアルの効果について教えてください。
* 義堂氏)
先日、お客様から会場見学希望の予約メールをいただきました。「この前改装をした会場の〇月の空き情報を知りたい」とのことでした。
弊社では、リニューアルが終了してから、まだ広告等を前面に押し出して宣伝を行っていく形をとっていいないのですがそんな状況の中でも、お客様から反応をいただいたことにとても驚きました。
会場指名で、会場見学希望の予約をいただくことは、弊社ではこれまで一度もなかったことです。本当に嬉しかったですね。このことは、ひとつの大きな、手にとってわかる効果だと感じています。
また、今回リニューアルを行ったことをきっかけに、プランの内容を見直しました。ベースの価格、お客様一人当たりの単価を引き上げることもできました。売上アップに貢献する披露宴会場になりました。来年2019年1月からのブライダルフェアに向けて、これからさらなるアピールをしていきたいと考えているところです。
— ディーアンドエスの評価についてお聞かせください。
* 義堂氏)
1.顧客が希望する予算内にきっちりと納めてくれる。
もちろん予算あってのリニューアルですが、予算度外視で提案してくるデザイン事務所が多いなか、その部分ではとても分かりやすく、良かったと思います。
2.柔軟に顧客の意向を汲んで、デザインを変えてくれる。
過去に取引があったデザイン事務所とのやり取りでは、弊社からデザインの希望を伝えても、デザイナー側のセンスを前面に押し出されて、なかなかうまく進まないことがありました。
ディーアンドエスは、弊社の意向をまず第一に考えて、全面的に弊社に寄り添ってくださいました。
また、弊社側で、各人の希望や主張が飛び交い、リニューアルの方向性がなかなか定まらなかったこともありました。そんな時は、渕向さんが「社内調整役」となって、弊社の意見をうまくまとめてくださったと思います。そこがすごく助かりました。
3.レスポンスが速い。
弊社からのメールや電話などの問い合わせに対してのレスポンスがとても速いと思いました。フットワークが軽くて、良かったですね。やり取りがスムーズなので安心感がありました。
4.ビジネスを共にやっていけるという安心感があった。
冠婚葬祭という事業に関わる立場として、ビジネスマナーを大事に思うところがあります。他のデザイン事務所のかたが、ラフな格好で打ち合わせにいらっしゃるなか、渕向さんははじめてお会いした時から、きっちりとしたスーツ姿でした。とても良い印象を持ちましたね。弊社に対する真摯な姿勢を感じました。冠婚葬祭というビジネスをきちんと理解してくださっているクリエイターさんなのだなと思いました。これなら共にビジネスをやっていけるという安心感がありました。
— ディーアンドエスにリニューアルを依頼しようと考えているかたへコメントをお願いします。
* 義一氏)
「あまり予算をかけず、お客様に喜んでもらえるデザインの会場へリニューアルをしたい」と考えていて、どのデザイン事務所に依頼したらいいかわからないかたがいたら、ぜひお薦めしたいと思いますね。
* 義堂氏)
ディーアンドエスは、「なにが今売れるのか」という視点をしっかり持たれていて、そのうえで、「今の流行に伴走をしながら、ほんのちょっとデザインを変える」ということを得意にされているデザイン事務所だと思います。
予算に制限があり、ハイクラスでもなく、カジュアルでもなく、程よい高級さが感じられるリニューアルをしたいと考えていらっしゃるかた、地方にも合う、程よい都会度のデザインへリニューアルをしたいと考えていらっしゃる地方のかたに、特にお薦めできると思います。
— 最後に、ディーアンドエスにこれから期待することをお願いします。
* 義堂氏)
ディーアンドエスのインスタグラムをフォローして、いつも最新の施工情報をキャッチアップさせていただいています。メディアでディーアンドエスが紹介されることが増えてきて、ますます引っ張りだこだと思いますが、いつでもお願いできるような価格帯で、これからも継続的にお付き合いさせていただければと思っています。
* 義一氏)
そうですね。今後も継続的にお付き合いをさせていただければ嬉しいですね。よろしくお願いします。
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