新潟県の結婚式場ザ・ガーデンプレイス小林樓は、平成28年にチャペル・バンケットのリニューアル、既存の施設を神前式場とウェディングサロンとしてリノベーションし、グランドオープンしました。
今回のリニューアル・リノベーションを株式会社ディーアンドエスに依頼した経緯と評価について、支配人の川崎信幸氏にお話を伺いました。
— ザ・ガーデンプレイス小林樓は、どのような結婚式場でしょうか。
ザ・ガーデンプレイス小林樓は、今年で103年目になる結婚式場です。昭和30年代までは、政財界や一般の方々に宿泊や宴会、仏事、神事などができる料亭として幅広く利用されていました。先代の社長(現会長)が、昭和40年頃に庭園と建物を中心とした結婚式の運営を始めました。平成21年には、大規模な施設のリニューアルを行い、ザ・ガーデンプレイス小林樓に屋号を変更して結婚式場をメインとした運営となり現在に至っています。
小林樓 川崎支配人
— これまで小林樓では、どのようなリニューアル・リノベーションを行なってきたのでしょうか。
平成16年に起きた新潟県中越地震で当地区にも少なからず影響がありました。このときに四代目となる現社長が、危機感を抱き経営の根幹の部分から見直しを行い、結婚式をメインの事業にすえて運営できるように施設を改修したのが最初のリニューアルです。その後、平成27年に庭園にウッドデッキテラス設置、ライトアップができるようリニューアル、平成28年2月にウェディングサロンのリノベーション、平成28年9月にチャペル・バンケットのリニューアルと神前式場のリノベーションをしました。
それまでは、新しさの中に古さが残る建物でしたが、古くて良い部分を残しながら完全にリニューアルすることで和モダンの結婚式場として生まれ変わりました。
— これまでのリニューアル・リノベーションで株式会社ディーアンドエスは、どれを担当したのでしょうか。
平成28年に行なった客間として使っていた二階のお部屋と「1番」「2番」と呼ばれた貴賓室として使われていた最も古い客間、神前式でも使われていた座敷の広間の三ヶ所です。
— 具体的には、どのようなリノベーションが行われたのでしょうか。
ウェディングサロンの新設
ウェディングサロンは、もともとは接待や宿泊などで使用していた個室でした。中越大震災で建物が歪んでいて、お部屋の状態が良くなかったため使われていなかったお部屋です。私もこの部屋を始めてみた時に「庭が一望にできるお部屋なのに完全に遊んでいてもったいない」と思いました。当時は、結婚式をあげていると全館貸切りにしてしまうので式の相談に来られた方の受け入れができませんでした。
新たに2つの式場を増やすことで結婚式を売っていくためにはどうしても必要な施設だということで、式場の改装に先駆けてウェディングサロンを新設しました。新設されたこのサロンでは、眼下に広がるお庭で実際に結婚式をあげている新郎新婦が見えますので、お客様が自分の結婚式をイメージしやすいウェディングサロンになりました。
チャペル・バンケットの改修
チャペル・バンケットは、吹き抜けの空間としてリニューアルを行いました。もともとは伝統のある和室の中会場で挙式ができるお部屋で良い意味で言えば格式が高いのですが、畳敷きで靴を脱がなくてはいけないなど近隣の式場と比べて不便さが目立ちはじめてきており、社長の小林の悩みどころのひとつでした。
こちらの会場は、二階の床を取りのぞき吹抜けのあるモダンな和の空間に生まれ変わりました。レイアウトを変える事によってチャペルとしても、バンケット(披露宴会場)としても使用する事ができるようになりました。
神前式場の新設
新設した神前式場は、かつて政財界の要人たちが宿泊などに使っていた最も古い「1番」、「2番」と呼ばれている貴賓室でした。ここ数年はブライズルームとして、着付けやお色直しをする場所として使われていましたが、代々「守らなくてはいけない」と言われ、手をつけることを許されないお部屋でした。
和室の中会場をチャペル・バンケットに改修したことで神前式の式場を作らなければならなくなり、新築で建てるか既存の施設をリノベーションするかの選択を迫られました。最終的には代表の小林と現会長が、次代に残し愛される小林樓にしていかなくてはならないという英断でこの貴賓室をリノベーションしたのですが、いざプランに落し込むのはとても大変だったようです。
渕向社長からは、最終案まで10回くらいプランを出していただきました。最終的に渕向社長に作っていただいた、現在の職人さんが作ることができない欄間やゆがみガラス、障子などの貴重なパーツなどを活かすべきは活かし、残すべきは残すことで神前式場として改装するプランとなりました。
— リニューアルの効果について教えてください。
1.使い勝手の良さ 従業員側からすると非常に仕事がしやすくなりました。設備が新しくなっていますので収納なども工夫があって使いやすくなっていますし、空調も良くなっていますので仕事もしやすくなっています。また、最近の挙式は、少人数化しているのでチャペルとして使えたり、小宴会場としても使えたり柔軟にレイアウトを変えることができることで利便性が良くなっています。
2.お客様の印象が向上 サロンができたことでご来場いただいたときのお客様の印象が格段に良くなっています。小林樓の結婚式は、お庭を中心としていますので、一番見ていただきたいシーンをお互いのプライバシーを守りつつ、快適な個室から見ることができる空間を作ってもらったので成約率の向上につながっています。各お部屋とも色々な工夫がされ、使い方の幅が広がったことでお客様のテンションも上がりますし、スタッフのモチベーションも上がっています。
3. 新たな市場を開拓 これが一番大きかったのですが、チャペルができたことで「結婚式は洋風で」と考えているお客様へアプローチできるようになりました。今までは和のイメージしかなかったのですが、チャペルの様子を出すことで和式にはまったく興味がなかったお客様が検討する式場のひとつに選ぶようになりました。日本を感じられるチャペルは、この近辺では他にはないので大きな差別化ポイントになっています。
— どのようなきっかけで、株式会社ディーアンドエスにお仕事を依頼されたのでしょうか。
実は、小林樓でも過去にリニューアルを行なった際に渕向社長に椅子をデザインしてもらったことがあるので、まったく知らない関係ではありませんでした。また、渕向社長が、近隣の結婚式場のリニューアルを手がけていることは、耳に入っていました。今回の施設の改修と新設も代表の小林と付合いのある方から改めてディーアンドエスの渕向社長をご紹介いただいたので、おまかせしようということになりました。
最初にデザインを手掛けた椅子
— 株式会社ディーアンドエスのご評価についておきかせください。
戦い方を感じられるようなインパクトのあるデザイン 最初に見せていただいた渕向社長が提案してきたパースを見た時に「これはすごい。あの歴史ある建物が和洋の両方を兼ね備えた結婚式場に変わると間違いなく、この地域で勝てるだろう」と直感的に思わせるインパクトのあるデザインでした。
ブランド力がひとつ上がった 和モダンに生まれ変わった歴史のある建物とお庭のデザインが融合することで、これから10年、20年と廃れない流行に左右されないデザインになったと思います。歴史との調和をしたことでもともと評価の高かった小林樓のブランド力がひとつ上がりました。お客様が高く評価してくれることで、我々のプライドも高くなったので、お客様にとっても会社にとっても従業員にとってもステージを上げることができました。
プロジェクト監理の良さ 通常こういった大がかりなリノベーションは大手ゼネコンがやるものなのですが、ここ小林樓のリニューアルは街の大工さんがやることになっておりプロジェクト全体を監理する人がいない状態でした。渕向社長は、こうした職人気質の人たちの間に入ってバランスをとってプロジェクト監理を行なっていただきました。職人の多くの人は、この街で親の代から小林樓に携わってきた人ばかりです。「できねえもんは、できねえんだ」という職人気質で代表の小林でも手に負えないことがあるのに外部からきた渕向社長には、良い均衡とバランスを保ちながら職人さんたちをうまく取りまとめていただきました。実際、職人さんたちも自分が作った建物に関して、うれしそうに話してくれます。
— ディーアンドエスにリノベーションを依頼しようとお考えの方にコメントをお願いします。
渕向社長と仕事をするなかで感じたのは、何度でも要望を受け入れてくれたことです。これから改装をする式場の方にお伝えするとすれば、改装を考えているということは何かしらの問題点があると思います。自社の抱えている問題点を伝えるとともに自社が大事にしたいものをしっかりとご相談するべきだと思います。そうすることできれいになるだけではなく、自社の持っている歴史だとか、土地柄だとか、時代背景だとか、何かを感じさせることができるとリニューアルした以上の価値が出ると思います。
川崎支配人と弊社代表の渕向
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